今の私は「不妊様」かもしれない。
妊活期間が長くなると、多くの人がいわゆる「不妊様」と自分を重ねます。
私も授かるまで、メンタルを良い状態で保てないことに悩みました。
この記事では、妊活で揺さぶられるメンタルを良い状態に保ち、少しでも楽に過ごせるヒントを紹介します。
おそらく、メンタルを整えることと妊娠は直結しない。
でも、メンタルの障壁を取り除いて、やるべきことに集中する必要がある。
私はそう考えています。
※私は医学や心理の専門家ではありません。考えの一つとご理解ください。
不妊で心にダメージを負う原因は
経験ある方なら分かると思いますが、不妊によって心に想像以上のダメージを負います。
寝ても覚めても子供のことばかり
辛いこともたくさん経験してきたけれど、表現しにくい独特の辛さ。
その原因は何か?
原因①情報・周囲とのコミュニケーション
- ニュース・SNSの妊娠出産情報に落ち込む
- 不妊であることを隠せない
- 「子供は?」の質問に怯える日々
- 話したところで大体理解されないためストレス
高頻度で晒されるのが情報や、社会との繋がりで生まれるストレスです。
自衛もコントロールも難しく、対処は限定的。
芸能人のニュースも、SNSや年賀状での妊娠出産発表も止められない
結婚すると、天気の話題と同じくらい「子供」の話題は避けて通れない。
未だ「結婚する≒子供を持つ」というイメージが強いためか、子供がいない理由の説明が必要になる場面も…
余計な傷を負わないよう、予め会話の想定問答を用意していました。
しかし時に思わぬ方向からのジャブが放たれることも…
その度に想定問答が強くなる
原因②妊活・不妊治療特有のもの
- どの情報を信じるべきか悩む
- 行為が苦痛になりがち
- タイミングが限定され、リミットまである
- 授かれる保証がない
- プロセスの評価ができない
- 「白」か「黒」二択※
どの分野にも言えるけれど、妊活・不妊治療も基本的に情報過多。
何を信じるかの判断に迷う。
妊活・不妊治療特有で特に辛いのが
- 授かれる保証がない
- プロセスが評価できない
- 「白」か「黒」しかない
大抵のことなら努力で結果を出すことができ、到達までのプロセスも可視化が可能。
でも、妊活はそれが難しい。
全くできないわけじゃないんだけどね
そして子供を「持つか」「持たないか」の究極の二択。
大抵のことは妥協案があって、自分を納得させることもできるけれど、子供を持つことに代替案はあまり無い。
「里親制度」や「卵子・精子提供」「代理出産」等、代替案が無いわけではありません。
しかし、日本で実施できない、ハードルが高いことなどから、今回の前提条件としては外しています。
原因③少数派になるという絶望
- 生物としての機能が問われる感覚
- 少数派に追いやられる絶望
男女とも、生殖の不具合は「タブー」案件のトップ。
女性にとって、不具合が露呈する唯一の機会が「不妊」です。
授かれない事で「女性」という根本的な部分を脅かされる感覚。
「少数派」なんてあらゆる分野にいるよね?
少数派の雰囲気を分かりやすく例えるなら…
- 名前を書ければ入れる大学に合格できない
- アルバイトにもつけずに3年過ごしている
みたいな感じ。
※著者の主観です
どう対処していくか?
対処①情報の流入・コミュニケーション機会減らす
- SNSアカウント削除
- 年賀状はスルー
- 会う・話す友達を厳選
- 妊活・不妊治療中であることを隠さない
- 傷ついたら丁寧に説明する
SNSのアカウントを一旦消しましょう。
授かれたらまた登録すれば良いのです。
自分勝手だと思われるのは嫌?
大丈夫。
その時はどう思われても良いくらい幸せだから。
今が周りの目を気にしすぎている状態。
年賀状は読まない。出さない。
妊活・不妊治療関係なく「楽にコミュニケーションをとれる人」だけに絞るのはメンタルを守る上で大切!
賛否分かれますが、私は「妊活・不妊治療についてこちらから話す」事を推奨します。
相手の質問に合わせて答えを考えるより
「自分から出せる情報を出してしまう」
方が遥かに楽。
精神が不安定な場合は、そのことも伝えられるといいね
トラブルのもとだから、噓をついたり強がるのは避けよう
もし傷ついてしまったら、関係をこじらせ、感情的にならないうちに伝えよう。
時間が経つほど傷は深く、辛い思いは強くなります。
相手の言葉が不適切な場合もあるけれど、受け取り方に問題がある可能性も。
誤解を解いてもらうだけで楽になって、より絆が深まることもあります。
そんなコミュニケーション、誰とでもとれるわけじゃないよね
だからこそ、あらかじめ人間関係を厳選するべきなのです。
対処②「自分の体」に集中する
- 体の状態を把握し、必要な情報を精査する
- メンタルではなく「体の状態」がすべて
- 科学の力も信じる(妄信はしない)
- 「今」に全集中
妊活・不妊治療に関する情報には、内容が相反したり、選択に迷ったりすることも。
全て正しく、どれが合うかは人によって違うのです。
自分の体に合うかの判断基準は、心地よく、エネルギッシュに、気持ちも前向きに過ごせるかどうか。
もともと抱える体の不具合の地道な解決が、一番近道かもしれません。
メンタルは不妊の元凶ではない
「そんな精神状態(メンタル)だから妊娠できないんじゃないの?」
なんて言う心無い人もいる。
余計なお世話!
私の体感ですが、逆です。
妊娠に至らないほど体が弱っているからメンタルにも影響がある。
体が元気に回復すれば、気持ちも明るく前向きになれるし、周りからもそう映るようになります。
中には、不妊治療に否定的な意見を持っている人もいます。
自然な形の妊娠にこだわる人が時々いるよね
少なく見積もっても、30年積み上げた実績から治療の安全性や有効性は証明され続けているし、技術も進歩し続けてる。
否定的になる感情は認めるけれど、医学的な観点からすればもはやどうでも良いレベルの拘り。
それによる機会損失は時間の無駄です。
体が元気になったら、科学の力を借りてきっと妊娠に到達できます。
対処③プロセスをできるだけ可視化しよう
- 医師の意見や内膜の厚さ、受精卵のグレードなどは可視化できる指標
- 体の心地よさが何より大切な指標
目標を達成するためには
「現状を把握して、対策を立てて実行する」
というのが鉄則。
妊活においては、体の状態を把握し、対策を実行した結果を体感するのが何より大切です。
漢方や整体など、プロの力のアドバイスをもらい、その通りに妊活をする場合も、自分の体感を大切にして、記録を取るなどして可視化していきましょう。
受精卵のグレードが良くても妊娠しなかったり、良くなくても妊娠したりすることも。
グレードも可視化できる指標の一つですが、それだけですべて判断するのは難しい。
自分の体、自分の感じる心地よさにスポットを当て続けることの方が大事だと私は思います。
【私の体験】体質改善でメンタルに異変が
これは私の実体験です。
体質改善で体調が整った時期から、メンタルが著しく改善しました。
- 根拠のない自信が湧いてくる
- 妊婦さんに出会うと「ラッキー」だと感じる
- 厳格な体質改善→適度に手を抜けるようになる
マタニティマークを付けた方を見ると
次は私かも…?
という気持ちが自然とこみあげてくるように。
それまで、同じシチュエーションを辛く感じていたから、自分の変化にびっくり。
妊娠する直前頃になると、体質改善のために意識して続けていたことが、良い意味で手抜きできるようになった。
”気にするのを辞めたら妊娠できた”
”諦めて自由にしていたら授かった”
そんな話を聞くことありませんか?
何もしないのが正解?
私は「妊娠できる状態になったから、自然と手を抜けるようになった」と考えています。
なので、頑張りたいなら、それは「変化の時期」
思う存分、努力すべき。
体がしっかり変化したら「少しさぼりたい」と思えるようになるんじゃないかな?
妊活の「正解」は人それぞれ
妊活に「これ」と言える正解はありません。
それが希望であり、絶望でもあります。
授からないかもしれない未来を思い、絶望する瞬間は定期的に訪れます。
その時はじっくりその気持ちと向き合い、思う存分涙を流して、パートナーと話しましょう。
とことん考えつくしたら「今」に集中しましょう。
私は、子供がいることが幸せの全てではないと、産んだからこそ思います。
でも、子供を望む人にとって、それが求めている答えではないことも分かっています。
妊活、不妊治療を頑張る全ての人の心が、少しでも軽くなりますように。
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