最近黒歴史の投下が続いていますが、私は元気です←
今回ご紹介するのは、私が大学卒業後新卒新入社員として勤めた会社について。
リベラルアーツ大学の動画を観ているみんな!
私、投資用ワンルームマンションの電話営業してたんだよ\(^o^)/
信じらんない!!\(^o^)/
両学長 リベラルアーツ大学YouTubeチャンネルより
↑この動画のサムネが目に入るたびに、胸がキュッと痛む・・・
ただね、ちょっと前まではこれも封印しておきたい黒歴史だったんだけど、書き出して纏めてみると案外学びも多くて。
ちゃんと残しておいても良いかな?と思えるようにもなりました。
あの頃の私の事や、投資用マンション営業の裏側(って言えるほどの濃い情報は無いかもだけど)をこそこそっとシタタメテいきたいと思います。
一応「ワンルームマンション投資」について簡単に説明をば。
ワンルームマンショントウシッテナニ??
という方の為に、少々解説しておきます。
マンション投の一室(主にワンルーム)を購入、貸し出してその家賃収入を得る投資手法です。←雑か
現実的な話をすると、ローンでマンションを購入し、家賃収入をとりあえず返済に充てて完済、将来的に家賃を収入にしていくことを目指す・・・という手法です。
ローンを組むけど、家賃収入があるからリスクが無いよ!
都会のワンルームは30年後も家賃が落ちないから月に○○万円くらいの収入になるよ!
とか言って購入者を募っています。
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]これだけ聞いてどう思った?[/chat]
え?その通りならめっちゃ良さげ!
香ばしい匂いがぷんぷんするぞいっ!
それ詐欺案件と違うの?
まぁ。。感想様々ですよね。
最初に言っておくと、詐欺ではないし、違法性の無い投資手法であり販売手法です。
あとはその会社会社の倫理観の問題でゴニョゴニョ…
私がこの投資手法・商品についてどう考えているのかは後で述べるとして・・・
[chat face=”inCollage_20210420_184644103.jpg” name=”夫(神)” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]結論から言うやつじゃないの?[/chat]
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]反応悪かったらリライトして直すからとりあえず黙ってて[/chat]
勤めていた会社・商品について
私がその会社に勤めていたのはもう10年以上も前の話です。
今とは空気も相場観も違うはずなので、その当たりは個々人で脳内補正してご覧ください。ペコリ((‘ェ’o)┓※怒らないでほしい
どんな会社だったの?
オフィスがあったのは、テレビ局が本社屋を置くような「都会オブ都会」な場所。
そこで素敵な高層ビルのワンフロアをまるまる借りている、ギラギラ系企業でした。
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ちなみに会社は今も健在だよ![/chat]
もちろん、働いている営業マンのギラギラ加減も尋常じゃなくて、結果を出している営業マンは港区の高級タワマン住まいで自家用車通勤(もちろん外車)という感じでした。
学生時代に接触する人事担当者を含め、働いている人はみんな基本的にいい人!
但し個性はめちゃくちゃ強かった
配属されたグループにいた当時30代くらいの先輩は、立振る舞いからは全く想像つかなかったけれど、その世界ではかなり有名なヤンキーだったらしい。
その後色んな会社に勤めたけれど、ドロドロとした人間関係とほぼ無縁だったのは、唯一その会社だけだったかもしれない。
毎年30人採用しても、一年後には5人程度しか残らない。
その現実と、会社のアットホームさとのアンバランスさがとにかく不思議に映った。
商品であるマンションについて
売っているマンションは自社ブランド!
高級感が売りで、部材などは高くても良いものを厳選している
と説明会では聞きました。←
実情は知れないけど、実際かなり丈夫で、建物自体のクレームは現在まで見聞きしたことはない!年数のたった物件も見学に行ったけど、確かに見劣りする事は無かったよ。
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]プロ目線ではもっと高級なマンションはあると思けど、空室率の低さからも良い物件なのは間違いないと思う[/chat]
間取りはほとんどがワンルーム!大きなファミリー向けの間取りの部屋もあったけれど、投資用として売られているものは、ワンルームがほとんど。
価格は場所、階数などにより大きく変わり、新築で3,000万円~4,000万円の物件の紹介が多かった。
※10年以上前の話なので、現在とは相場観が全く違うかもしれません。
マンション販売のからくり(わかる範囲で)
では「立地の良い、良質な物件で空き部屋リスクも低く、 長く運用できる物件」を、会社はなぜ手放してしまうのか。
謳い文句が事実なら、自社で保持して運用した方が遥かに利益になるはず。
理由は、てっとり早く新しい物件建設の費用が必要だから。
私の勤めていた会社は物件の企画販売の部門。管理をする別会社とのグループ企業として
成り立ってました!
自社で企画販売した物件の管理を請け負って、手堅い利益を得ているってわけ!
もちろん管理費用は微々たる金額だけれでも、塵も積もれば・・・
そして・・すべてを売却するわけではないんですよ。
上層階や角部屋、眺望の良い場所など、建屋の中で優良な部屋、または好立地中の好立地物件は、販売せず会社で保有なんてこともありました。
実際働いていた時の状況や感想など
そもそもなんでこの手の仕事をすることになったかというと・・
致命的なほどに勤労意欲が無かったから。
金払いが良い会社に勤めて、さっさとある程度の貯金をして辞めてやろうと思っていました←
200万円越えの奨学金の返済も迫っていたし「一発当ててやんよ!」というような精神状態に近かったのかも・・・
こんな考えで仕事が長続きすることはもちろんなくて、すぐに退職することになりました。
労働条件など
所定の労働時間は9時から18時(1時間の休憩あり)
しかし、その月結果が出ていなければ21時までの強制残業。
月6日休みがありますが、そのうち2日も強制出勤になります。
その時間外労働の給与を含んだ賃金は
30万円/月
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]多いと思う?[/chat]
他の企業は基本給20万円程度が多かった。
今は色んな事を知っているのでこの金額は決して妥当ではなかったと思う。
日々の業務は?
仕事で使うのは
「電話」と「リスト」のみ笑
ひたすら一日中、リストの電話にかけまくり、アポを取る。
とれたアポに先輩と取り組んで契約に持っていく。
電話を切られ、怒鳴られ。説教を受け・・・心がすり減り減る毎日。
1日中電話をかけ続けても、アポイントをとれるわけではなく何日も、何日も・・
何週間も。何カ月も。
アポが取れるか。こればかりは、人による。
余談だけど、電話のモニター機能(先輩上司が交渉をリードするため)で、交渉がうまくいっている人の電話を盗み聞きするという人もいた。
問題なのはモニター人数が増えると電話している人の耳に届く音声が小さくなってしまうこと笑
大事な場面で声が聞こえにくいという・・・
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]みんな聞いてると思うとちょっとテンションあがるんだけどね[/chat]
営業に使うリスト(名簿)について
営業に欠かせない「リスト(名簿)」をどのように入手しているか?
→名簿会社から購入している
というのが答え。
※個人情報を扱う事のリスクは名簿会社に負ってもらっている
リストは常に更新されるというわけではなく、古いものも関係なく使用するという状況。
新しいリストが入るとみんなこぞって使用するため、営業がしにくいから古い名簿をあえて使っているという営業も。
リストの精度は非常に悪かった。
名刺を基に作られたであろうリストは、電話番号以外全て存在しないという事がほとんど。
部門自体が無くなっていることも多く、部門名を言った所で弾かれてしまうので、名前のみ出してみる、という手法が主流。
固定電話のリストも、迷惑電話対策がなされている場合が多く、ほぼ空振り。
お客さんについて。買う人いるの?
いるんですよ。
ただ、実情としては新規より、お得意さんに買い増ししてもらっている事の方が多いのかな・・・
必要性を最初から説く必要がなくて、物件の良さを理解しているお客さん相手だから、立地の良さと金額の折り合いがつけば買ってくれる確率が段違いで高い。
勿論際限なく買ってもらえる訳では無いから、新規が捕まらない場合に営業をかけてみるという方法を取る事が多いように思う。
新規を優先に探しているにも関わらず、売れていくのは既存のお客さんばかり。それだけ新規の獲得は難しい。
ちなみに、どんな人が買うのか?
キャッシュで買えるお客さんにはこの手の話は通用しないので、狙うはローンの通りやすい、大企業のサラリーマン。
ただ、大企業では個人向けの営業対策がしっかりされていて
- 代表電話で受付担当にはじかれる
- 営業と分かった時点で専用のメッセージに転送
となり、本人に繋げてもらえるケースはほぼない。
なので「たまたま出た人にそのまま営業」という強者も!
ほとんどが突っぱねられる中で、本当に少数だけれど、話を聞いてくれる人が存在するんですよ。
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ベテランになると、声聞いただけで分かるらしいよ[/chat]
購入する人は全国にいると会社は言っていたけど、ほとんどが都市圏の人のように思う。
不動産投資に精通しているわけではないけど、少なくとも土地勘、物件に対して見識が多少あって、興味を持つのだと思う。
「よく調べれば」もっと良い投資方法がある。けれど、興味を持った時点で営業に丸め込まれてしまう。
1部屋買うと、感覚が麻痺してしまうのか、2部屋、3部屋と契約する人が出てくる。先に言ったお得意さんだ。
一人のお客さんに5部屋買ってもらったという強者営業もいた。
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ローンどうしたんだろうか・・[/chat]
従業員は買っているの?
問題はここ。
”人にお勧めするんだから当然買っているんでしょ?”
何度も聞かれた。
「今はまだ勤続年数が足りないので、数年したら購入するつもりです♪」
というのが模範解答。では先輩方はどうしていたか?
ほとんど買ってなかったよ\(^o^)/
理由は自宅ローンとの兼合、ボーナスが安定しない事など様々
商品に疑問がある人はほとんど辞めているので、長く勤めている営業が買わない理由は、個人的な事が多かったように思う。
もちろん購入している社員もなかにはいた。その方が自分事として営業トークできるから、売りやすいことは間違いなかったと思う。
私の直属の課長は買っていた人。
「いつか買ってみろよ~」とも言われたような気がするけど、遠い記憶なので定かではない。
投資用マンションお勧めできる?
3ヶ月かじった程度の感覚ですが
「中古物件で、良い物件ならお勧めできる可能性あり」
というところ…かな。
[chat face=”inCollage_20210420_184644103.jpg” name=”夫(神)” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]お勧めするんだ!?[/chat]
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]無条件に・・・ではないよ?[/chat]
絶対新築はお勧めしない。割高すぎる!
時々中古物件の営業も入るのですが価格の差に驚いた。そして問題はそのほかの要素。
立地や間取りなど、良い物件を探すのはプロでも難しい。正しく判断するある程度の知識と経験は必須だと思う。
[chat face=”inCollage_20210420_182040703.jpg” name=”私” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]少なくとも、電話営業してくる物件が良いわけはないよね。[/chat]
そして資金調達の問題も。利回りの良い物件をローンで買うというのも可能だけど、原資が無いならなおさら、できる限り余力資金で行えるのがベストだと思う。
投資という観点でいうと、初心者向けではない上にある程度の知識経験必要となれば、第2、第3の投資選択肢ではないかな?
と個人的には感じました。
なぜ3ヶ月で辞めた?
ここは避けて通れないですよねぇ。なぜ辞めたのか。
電話営業が辛い
という表面的な理由の他、私の場合は、
社会に必要な仕事なのか?
正しい方法なのか?
お客さんにとって有益なのか?
という疑念が解消されずにどんどん膨らんでしまったから。
研修で有益な資産運用であると声高に説明されたけど、私の中には振り払えない疑問というか、ごわごわする気持ちが残り続けていた。
意外に思うかもしれないけれど、割り切って長時間働くことに慣れてしまえば、働き続けることは難しくない環境だったとも思う。
そこそこ給与が保障されていて結果を出さないからと言って首になるという事はない。
なので、辞める人はさっさと辞めるけど、続く人は長く勤めているという印象。
しばらく自分をごまかして勤務を続けたけど、家を出るタイミングで吐き気がおこるように。
それが数日続き会社を休んだ。出勤扱いにするから、扱っている物件を見て回ってレポートを提出するよう、課長から指示を受けた。
その指示は遂行することができて報告の為部屋に入ろうとしたとき、入ることができなかった。
その時「あ、これはダメだな」と感じ、会社を出た。
会社の指示で受診したメンタルケアクリニックで医師に言われた「どうしてここに拘るの?」という言葉に
- 新卒入社だから
- 失敗できない
- 親に心配をかける
みたいな気持ちが退職をためらわせていると気付いた。
もう既に失敗している
ということを受け入れて、26歳で医大に入って医者やってるよ!というその先生の言葉に後押しされて、たった3ヶ月の新卒社員生活を終えた。
何を得ることができたの?
短い期間で私が得た気付きについて。
正しい事、それが大前提
3ヶ月という短い就労期間で、私は「正しい」と胸を張れるものでなければ打ち込むことができないという事に気付いた。
正しさなんて人の数だけある
と言われてしまいそうだけど、あくまで「私にとって」の話。
この事は事業内容の若干特殊なこの会社に入らなければ、気付くことができなかったと思う。
その後の仕事選びにおいてこの点は欠かすことのできない条件にもなった。
方法論より熱意と素の言葉が心を動かす
同期や先輩・上司の営業スタイルや人間性を見て感じたこと。
同期の女の子で、テレアポの経験者が一人いた。アルバイトでインターネット等のテレアポを数年こなしてこの会社に入社したそう。
でもその子は、入社から退職までの間に一件もアポを取る事ができなかった。そんな中未経験の私が立て続けにアポを取った事で、大いに妬まれてもしまった。
彼女の営業スタイルはとにかく
テレアポのマニュアル通り
という感じ。
会話は聞き取りやすく流暢に。要点を伝えることを最優先に。
会話が成立しているのをモニターしたときの率直な感想は
会話に心が通っていない。
とにかく会話を相手に当たり障りなく合わせてアポを取りにいっている、という感じ。
数千円の健康食品やネットの契約とは違う、高額商品ならではの攻防戦。
膨大なリストの中に僅かに存在している見込み客を見つけ、お得意様に変えるのも、
熱意、本気度、素の人間性
という要素が必ず必要だと感じた。
先輩がみんな良い人だったと思えた事にもつながると思う。温かい、人間臭い人柄が、妙に人を惹きつける。そんな人が多かった。
私の後ろの席の同僚はお世辞にも営業が上手とは言えなかった。
でも彼は一生懸命だった。
大声で電話をしていたせいでお客さんからのクレームも入っていたり。
私が退職した後、その彼が契約を取ったそう。
実際のところはわからない。
でも彼が一生懸命だったこと、生まれたばかりの子供、綺麗な奥さんの為に働いていたこと、どんなにクレームまみれでもそれでも先輩に可愛がられていたこと。
色々考慮すると納得がいく。
誰でもできることだけど、誰もが続けられる仕事ではない。
私にはできなかった事です。
あの頃を振り返ってみて
私にとっては消したいとさえ思えた黒歴史の一つですが、纏めてみたら案外色んな経験を積めた充実した3ヶ月でもあったと思うことができた。
なんだか、肩の荷おりた感じ。
何が正解か?は捉えようだし、得たものをちゃんと見つめなおして認識できれば、堂々と前を向けるんだとなんとなく感じることもできた。
これからも色んな失敗をするのだろうけれど、一つ一つをきちんと糧にしていきたいと思う。
https://kamisamanoiutoori.com/profile/
コメント